確定判決が出ている場合の時効
1 判決の確定から10年間は時効が完成しなくなる
結論から申し上げますと、確定判決が出ていると、判決確定から10年間が経過しないと消滅時効が完成しません。
消滅時効が完成する前に判決が確定した場合だけでなく、消滅時効が完成した後で訴訟を提起されて判決が確定した場合も、判決確定から10年間消滅時効が完成しなくなることに注意が必要です。
以下、確定判決によって消滅時効の期間が延長される理由と、消滅時効完成後に訴訟を提起された場合の対応について説明します。
2 確定判決によって消滅時効の期間が延長される理由
民法第169条第1項には「確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、十年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、十年とする。」と定められています。
もし最後の返済(正確には期限の利益喪失日)から3年が経過していても、判決が確定すると、その時から10年が経過するまで消滅時効は完成しないことになります。
消滅時効が完成した後に訴訟を提起され、判決が確定してしまうと、「既判力」という法的効力により借金の返済をする義務が存在しないという主張をすることができなくなってしまいます。
そのため、せっかく消滅時効が完成していても、確定判決が出てしまうと、また10年が経過するまで消滅時効が完成しないことになってしまいます。
3 消滅時効完成後に訴訟を提起された場合の対応について
消滅時効が完成した後に訴訟を提起されるということは、実務上はよくあります。
もし何もしないでいると、民事訴訟のルール上、原告である貸金業者等側の主張が認められ、判決が確定してしまいます。
その結果、消滅時効の援用ができなくなってしまうというのが原則の法律のルールということになります。
最後に返済をしてから長期間経過している借金などについて訴訟を提起されたら、すぐに弁護士に相談をしましょう。
訴状の内容を確認し、消滅時効が完成していると考えられる場合には、民事訴訟法に従って答弁書を提出するとともに、消滅時効の援用をします。
これによって、実務上は訴訟が取り下げられることも多いです。
適宜、配達証明付内容証明郵便で消滅時効を援用することもあります。























